先日紹介した東北大学の脳科学研究者、川島隆太先生の著作の内容をご紹介します。
スマホやLINEやゲームと、成績の関係を7年間にわたって大規模に調査した結果がまとめられています。
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まあ、衝撃的なデータが並んでいました。
以下に挙げるのは、本の前半に載っていたデータの中でも、特に衝撃的だったものを引用しています。
(さらに詳しく知りたい方は著作を読まれた方がいいですから、ぜひ手にしてみてくださいね)
スマホと成績の関係
まずは、スマホと成績の相関図。
(『2時間の学習効果が消える! やってはいけない脳の習慣』,川島隆太,青春出版社,p.19)
ちょっと分かりづらい図ですので、ご説明します。
左が国語の成績、右が算数の成績を表しています。
それぞれ3本の折れ線がありますが、
1番上が平均して1日2時間以上勉強している生徒のもの。
2番目が1日30分から2時間の生徒のもの。
1番下が1日30分未満の生徒のもの。
(おそらく0分の子もふくまれています)
さて、このデータの何が衝撃的かと申しますと、
たとえ1日2時間以上勉強していても、
スマホを3時間や4時間もいじっていたら
勉強もしないがスマホもしない子よりも成績は下だということ。
つまり、勉強した内容がゲームによって台無しにされ、勉強しても無駄という状況を作り出しているのです。
これまでスマホばかりしている子は勉強しないだろうから成績が低下すると漠然と思われていましたが、そんなことはありませんでした。
勉強をしていてもスマホを長時間いじっている子は勉強した内容を台無しにし、プラスマイナスでマイナスになるのです。
なお、スマホ時間が1時間未満の子はむしろ成績が上がっていますが、これはおそらく時間管理ができるのであれば手にする情報量が増ることによるスマホのプラス面が現れてくるのでしょう。
ですが、2時間以上スマホをいじっている子はもう成績が下がり出します。
このデータは仙台市の7万人の小・中学生を対象に追跡調査を兼ねて7年間も行われています。
「自分に当てはまるかどうかなんて分からないじゃん!」なんて言う方がおかしいデータです。
普通に考えれば、そりゃあ、当てはまるでしょう。
LINE・ゲームの影響
さらにスマホの中でもLINEに関するデータは絶望的な数値を示します。
なんとLINEを1時間でもやっている子は、即座に成績が下がることが示されています。
本の解説によれば、どうしても返信が来るかどうかが気になるし、グループLINEではどんな話題が話されているのかと集中力を削ぐ原因になるからだと記されています。
これはもちろん、LINEに限らずメッセンジャーアプリ全般に言えるようです。
怖いですね。
怖いし、私自身これを見て困りました。
だって、日常的に、そして業務の中でもLINEを使っていますから。
子ども達だけではありません。
大人も気をつけなくてはいけないところです。
そして、もう一つのデータ。
ゲームの時間と成績の関係のデータです。
これはスマホと同じみたいですね。
1時間以内で終わらすことができたら成績はむしろ良いが、2時間以上やってしまうと、成績は落ちだす。
4時間やっている子は、もうどんだけ勉強してもマイナスです。
「勉強しなくて良いから、ゲームもしないようにした方がマシ」と言えそうです。
また、メッセンジャーアプリとゲームが駄目となると、最近よく耳にする通信制のゲームはどうなのでしょう?
私はやったことがないので詳しくは知りませんが、大抵ゲームをしながらチャットができますよね。
ひょっとすると最悪の組み合わせなのではないかと疑ってしまいます。
コンビニの前で小学生がゲームを持ち寄って屯(たむろ)しているのを見たことがありますが、あれは本気で辞めさせた方が良さそうです。
いずれにせよ、スマホにしろゲームにしろ、1時間で終わらす時間管理が大切です。
まだお子さんにスマホを与えていないのであれば、なるだけ与えない。
与えてしまった方は、このデータをきちんと見せて、時間管理の大切さを学ばせるのが肝要です。
塾で一生懸命勉強しているのに、家に帰ったら全てを台無しにするような行動は慎んでもらいたいものです。
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