ずっと気になっているデータがあります。
詳細が知りたいと思っているデータです。
脳内視力講演会の時にも、お話しさせてもらったアレです。
そのデータとは、東北大学の川島隆太教授が、著書『「本の読み方」で学力が決まる』の中で示したもの。
川島隆太教授とは10年年以上前に「脳トレ」などのゲームで一世を風靡した方ですと言えば、分かる方も多いのではないでしょうか。
(とは言え、私は全く面識がありません。)
↓この方です。(講演会で使ったパネル、画像はネットから拝借しました)
川島先生は研究者として、はっきり言って特権の持ち主です。
仙台市の約7万人の学生に対してアンケート調査及び学力調査を継続的に行うことができるのです。
今、その研究は8年目か9年目に入っているはずですが、7万人の継続的な調査ですからね。
説得力が違います。
で、その膨大なデータから出てきたグラフが下の3つのグラフ。
学力と読書と睡眠の関係性を示したグラフです。
一番上が、毎日読書を1時間している生徒のグラフであり、
真ん中が、毎日読書が1時間未満の生徒のグラフ。
そして最後が、読書を全くしない生徒のグラフ。
各グラフの中で、最も濃い棒グラフはその集団の中でもっと高い偏差値の生徒群を示しており、
二番目に濃い棒グラフは偏差値50を超える生徒のグラフ。
薄い棒グラフは偏差値50を切る生徒のグラフです。
ここでは、特に読書時間に注目しましょう。
一見して、明らかに毎日1時間以上読書している生徒の方が、成績がいい。
そして、
読書を全くしていない生徒が勉強しても、偏差値50を超えるのも難しい。
読書を全くしない生徒が、毎日勉強を1〜2時間したところで偏差値50を超えるのはごく一部。
この残酷な事実。
逆に毎日読書を1時間以上していれば、毎日の勉強量が30分未満でも比較的多くの子が偏差値50を超える。
この素敵な事実。
こんなデータを見てしまえば、自然とあるアイデアが生まれますよね?
「Moveの3時間の勉強のうち、1時間を読書タイムに当てた方が多くの子の成績が上がるんじゃないか?」
幸いなことに、Moveは個別演習授業を採用しています。
勉強の内容は、基本の形はあるにせよ、生徒が自分で決められます。
50分の学習時間と10分の休憩を3回繰り返すのが、Moveでの過ごし方。
学習時間の間は一切の私語が禁止され、凛とした雰囲気が張り詰めるのが自慢です。
そのうちの1回を読書時間に当てるのも一つの方法かもしれないというアイデアです。
Moveの現状・目指す先
さて。
ここで少しMoveの成績データをお話しします。
まず、ここ数年の中学生の平均偏差値は、57〜59で安定しています。
正規分布に従うなら、上位20%前後がMoveの平均ということです。
地域No2の安古市高校のボーダー偏差値が59に設定されていますから、
安古市に行けるかどうか微妙というのが、Moveの平均とも言えます。
一方で、中には、前回の広島県全県模試で広島県全域中1位を取る子がいたり、
前々回では中2の子が1位になったり、突出した成績を取る子もいます。
入塾テストを課さずなんだかんだと色々な子が入塾している塾としては、まあまあじゃないかと思っています。
でも、当然もっと上の成績があることも知っていますし、目指しています。
次なる目標は塾全体で平均偏差値60オーバーです。
(もちろんこれは塾としての目標で、生徒個人の目標ではありません。)
また、その一方で皆様ご存知のように、Moveは他の塾さんと少し趣向が違います。
個別演習型を採用しているのは、高校やその先でも自分の力で学習する力を養うため。
講演会などを行なっているのは、養った学力をどう生かすか、
どう生きていくかを広い視点で自ら考えて欲しいから。
そうしたことと学力を上げることを並行して行うのが、Moveの目指すもの。
その意味で、
毎日の1時間の学習時間を読書時間にあて、幅広い知識を身につけ、
しかも、それがより効率よく学力を養う方法だと言うのなら、
大いに検討の余地がありますよね。
でも、本に示されただけのグラフを根拠に実行するのは早計です。
2次資料だけを見て、全てを判断はできません。
私の知る限り、こんな読書タイムを導入している塾さんを知りません。
(ご存知の方がいらしたら、是非教えてください)
流石に導入には勇気が要ります。
でも、川島先生も、
「勉強を3時間するより、2時間勉強して1時間読書をする方が成績がいい」
なんてことを言っているし・・・。
でも、その前に、
このデータの元を詳しく知りたいし、
川島先生の見識をもっと深く知りたいな〜と思っていたり。
そのためには仙台に飛んでもいいな〜と思っていたり。
とりあえずどなたか、僕がこの論文を読める方法をご存知ないですか?
どこかの大学図書館で聞くのがいいかなあ?
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