2019年の末に、かねてより議論されていた広島県公立高校入試の改革案が発表されました。
詳しくはこちらの教育委員会のサイトをご覧ください。
概略はこちらです。
一読して大きな変化だとわかると思います。
いやあ、広島県教育委員会は思い切ったことをしましたね。
私はかなり好意的に捉えています。
以下で、詳しく見てみましょう。
改革案のポイント
まず、今回の改革案のポイントを整理してみます。
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- 選抜Ⅰの廃止
- 「自己表現」の実施
- 内申点と学力検査の比重の変更
- 内申点における各学年の比重の変更
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1、選抜Ⅰの廃止
これまで高校入試は選抜Ⅰ、選抜Ⅱ、選抜Ⅲと3回ありましたが、推薦入試である選抜Ⅰを廃止しました。
その結果、一次選抜と二次選抜の2回となるのですが、
二次選抜は「入学定員に満たなかった高等学校・学科において」実施されます。
実質、一次選抜の一発勝負ということになるのでしょう。
ここは大事なところですね。
2、「自己表現」の実施
実にユニークな改革です。
「自己表現カード」なるものを自ら作成し、それに基づいて面接にて「自己表現」を行う。
それが受験生全員に課せられるのです。
【自己を認識し,自分の人生を選択し,表現することができる力】
を評価すると謳った入試改革です。
反対する理由がありません。
ただし、このまま普通にやっただけでは、ごく一部の生徒を除き、みんな大したことが言えなくて、この項目では差がつかないことが予想されます。
ここにどう真摯に向き合っていくかは、大いに考えなくてはいけません。
3、内申点と学力検査の比重の変更
現行
学力検査:調査書=125:130
↓
改革後
学力検査:調査書:自己表現=6:2:2
今回の改革でもっとも評価したいのはここです。
前々から、私は広島県の内申点の比重の高さに否定的でした。
(過去のブログを読んでいただければ、その証拠はわんさか出てきます)
それが、今回、内申点(調査書)の基本割合は20%にまで下げられます。
これは、要するに、
「学校のワークや定期テスト過去問をひたすら丸暗記して培った学力では、高校入試は突破できない」ことを意味します。
自己表現と合わせて、きちんと自分で考えられる力=真の学力を有した生徒から評価されるようになるでしょう。
(とは言え、評価されるのは学力だけではないのは、自己表現が2割と明記されていることからも分かります)
多分、この変更については、賛否両論あると思います。
反対派の理由として多いのは
「3年間、きちんと積み重ねてきたものが評価されないのは悲しい」
でしょうか。
けれど、そんなことはありません。
きちんと積み重ねてきたのであれば、試験当日によほどのアクシデントがない限り、実力として評価されるはずです。
問題なのは、その積み重ねが、例えば「塾の先生が教えてくれた答えをひたすら覚えた」だとか、「定期テスト過去問をひたすら繰り返して、それと全く同じ問題が出て得点を重ねた」という勉強方法を採用してきた場合でしょう。
つまり、学力に転化しない、形だけの積み重ねを行なっていた場合です。
そんなもの、早晩ボロが出るものです。
3年間でやるべきことは、きちんと物事を理解して、自分で考え、自分で表現できるようにするという王道の学習。
ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。
4、内申点における各学年の比重の変更
現行
中1:中2:中3=1:1:1
↓
改革後
中1:中2:中3=1:1:3
内申点の各学年ごとの比重も変更になりました。
ただそもそも内申点の比重が低くなったので、あまり重要性を感じないかもしれません。
ですが、この変更によって中1・中2の内申点は入試全体でそれぞれ4%を占めるに過ぎないことになります。
これによって、中学の最初のうちは学力が振るわなかったけど、3年の間で学力を伸ばした生徒は、その実力に見合う高校に進学しやすくなります。
あるいは、いじめや心身の不調により学校に行けない時期があったとしても、本人の実力次第で希望を叶えやすくなります。
今まで内申点の比重の高さのために、希望を押し殺してきた生徒を多数見てきただけに、本当に嬉しい。
塾としては、真の意味で、学力が高い生徒を育てることに集中できます。
Moveの対処
今回の変更に対して、言いたいことはたくさんあります。
それは次回以降に回させてもらうとして、一言だけ。
今回の変更に対して、
Moveの生徒が慌てる必要は全くありません。
これまで通り、子どもたちの視野を広げ、体験知を高め、真の学力を高めていく。
むしろ、Moveの方針に広島の制度が合わせてきたと思うほど。
ますます今の路線を強化していくことを誓うだけですね。
いい時代になりました。^ ^
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