新中1からの新・公立高校入試を考える①

 

この春に中学に入学する生徒から、広島県の高校入試が大きく変わることが発表されています。

 

詳しくはこちらの県教育委員会のHPから。

または、以前に書いたブログ記事をご覧ください。

 

 

現行の制度から考えるとかなり大胆な改革で、時代に合わせた先見の明のある改革だと高く評価しています。

 

 

しかし、僕らとしては、ただ手放しで評価するだけでなく、実際にこの制度の中で、これまでと比べどのような変化が起きるのかを考えなくてはいけない。

 

 

 

 

この改革の中で、皆さんがもっとも気になるのは、おそらく内申点の比重の変更でしょう。

 

 

 

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現行 

学力検査:調査書=125:130

   ↓

改革後 

学力検査:調査書:自己表現=6:2:2

 

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内申点の比重が51%から20%に引き下げられました。

 

さらには中1:中2:中3の内申点が 1:1:3に変更されたことで、

入試全体における中1の内申点の比率は17%→4%にまで低下します。

 

 

 

さあ、この状況で何が起きるか?

 

 

今日はこの点について考えてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

予測1:学校が荒れる?

 

まず第一に考えられるのが、「内申点の締め付け」がなくなることで学校が荒れやすくなるということです。

 

これまでにもしばしば授業が崩壊し、公立中学校が荒れる様子を見聞きしてきました。

 

ある時は、あまりにひどいので「学校に行こう週間」に学校の実際を見学したことさえあります。

 

ちなみに、Moveは、

 

「その中で勉強しようとしている生徒にきちんとした学習空間を提供したい!」

 

という思いから生まれています。

 

 

 

今回の変更では、一歩間違えれば、その状態が起きやすくなるでしょう。

 

 

 

だって

 

「そんなことをやっていたら、内申に響くでしょ!」

 

という、伝家の宝刀の威力がなくなるのですから。

 

 

 

広島でも過去に内申点の比率が低い時に学校が荒れた時代があり、それの再来を恐れているというベテランの先生の声を聞きます。

 

 

 

 

もちろん内申点のためにきちんとした生活をするなんて、そもそもレベルの低い話ですし、内申点の比重が下がったからといって度の過ぎた悪ふざけが許されるなんて、勘違い以外の何物でもないのですが、クラスに2〜3人でも勘違いをした子がいれば、クラスが荒れるには十分です。

 

 

 

現実に起きないことを願っています。

 

 

 

 

 

 

予測2:上位校はより一層難化する?

 

 

その一方で、

 

内申点の比率が下がると、より高いレベルまで学習する子が増える

 

という予測もあります。

 

 

 

 

 

なぜか?

 

 

上位校はより一層難化することが予想されるからです。

 

 

 

 

改革後の公立高校入試は、実質、学力検査の一発勝負。

 

 

これまでは、無理やりでもなんでも内申点という下駄を履かせればなんとかなりました。

(だから一部の塾では、定期テスト過去問漬けという方法を取ってきたのです。)

 

 

 

しかし、これからはそうはいかない。

 

確実に基町や安古市の公立上位校に入学するためには、たとえ当日が本調子でないとしても合格できる学力が必要です。

 

そのために、これまで以上にきちんとした学力が必要とされる。 

 

 

 

しかも、昨今の問題傾向から考えると、単に暗記をたくさんすればいいと言うものでもありません。

 

「思考力・判断力・表現力」の言葉に代表されるような、新学力観に沿うような学力が必要です。

 

その意味で、「真に賢い」と言える学力が要求されるのです。

 

 

 

さらには、「自己表現」で、自身の活動をプレゼンできた子がより高く評価される方式です。

 

 

 

 

それらを考えた場合、この変更がただ子ども達を内申点の呪縛から解き放つだけの生易しいものでないことが浮かび上がってきます。

 

 

 

この改革で、求めていることは非常にレベルが高い。

 

しかも、新しい時代をたくましく生きていくために、という方向性にきちんと沿っている。

 

Moveとしては、ぜひその期待に応えたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

暫定的結論:おそらく両方起きる

 

以上、大雑把ではありますが、この入試改革によって起きる変化について、「学校が荒れる」、「より高い学力が求められる」という両極端な予想をしてみました。

 

 

 

方向性が正反対でびっくりですね。

 

 

 

ですが、おそらく両方とも起きるだろうと思っています。

 

 

 

 

間違った方向に勘違いする子は勘違いするだろうし、高いレベルの学力を求めて学習する子は学習する。

 

 

 

その結果、ゆとり教育が終わってから静かに進んできた「学力の二極化」に、拍車がかかると思われます。

 

 

 

 

もちろんMoveでは、より高い学力を求めて頑張りたい生徒を応援する体制をとります。

 

 

これまでも公立上位校を目指す生徒のための空間を提供してきました。

 

その路線は変えることはありません。

 

 

 

 

 

 

ただ、一つ気になるのは、「自己表現」の項目。

 

これに真摯に取り組むことは、子ども達にとっても大切だと思うのです。

 

 

 

この点については別記事について書きますね。

 

  

 

 

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