娯楽としての学び

大河ドラマ「光る君へ」、御覧になっているでしょうか。

 

脚色は多くありますが、平安時代の人物や文化を大まかにつかむのにもってこいの作品になっています。

 

特に、「大鏡」や「源氏物語」を既に学習している高校生は、教科書で読んだ内容が映像化されることで、理解が深まるはずです。

 

「花山院の車に弓を射かけたシーンだ!」

 

「弓争いってこんな感じだったのか!」

 

「雀を逃がしてしまった犬君のシーンがこんなところに!」

 

学んだことがつながっていく感覚を味わえます。

 

中高生が古文に苦手意識をもってしまう理由の一つは、「世界観が分からない」ということです。

 

たとえば、中学2年生で習う「平家物語」のような軍記物語。

 

「首打たせてけり」を直接訳すと「首を討たせてやった」となるのですが、ここで出てくる「せ」は使役(~させる)の意味ではなく受身(~される)の意味になります。

 

実際には「首を打たれちゃった」なのですが、武士にはプライドがありますから、「首をあえて打たせてやったのだ!」と表現するわけです。

 

良い和歌を詠めば雨も降りますし、神仏が助けてくれます。

 

夢で見たことは現実になりますし、運勢の悪い方角に旅をするととんでもない目に遭います。

 

現代の感覚では理解できないことが平然と起こりますから、「そういう世界観で回ってるのね」ということを飲み込むところからスタートしなくてはいけません。

 

そういう意味で、娯楽として知識を仕入れていけるのは良いですよね。

 

塾に置いてある漫画、「あさきゆめみし」や「史記」などを読み漁っている生徒もいます。

 

楽しみながら知識の幅を広げてもらいたいですね。