メディアとの付き合い方

本日、ベネッセの方が登壇するとあるセミナーに参加してきました。

 

生徒の皆さんに還元できる話を様々聞いてきたのですが、特に興味を引いた内容の一つに、「DXハイスクール」についての話がありました。

 

DXハイスクールとは、【情報、数学等の教育を重視するカリキュラムを実施するとともに、ICTを活用した文理横断的な探究的な学びを強化する学校】のことです。

 

おおざっぱに言ってしまうと、情報社会で生き抜くことのできるIT人材を育てるカリキュラムをもつ学校、ということですね。

 

広島県のDXハイスクールは下の画像の通りです。

私が学生だった頃存在した「スーパーサイエンススクール」とは異なり、予算規模が約5倍の100億規模の国策になっているようですね。

 

存在自体は知っていたのですが、文科省の力の入れようについては具体的に知らなかったので驚きました。

 

現在、大学入学共通テストの科目の一つとなっている「情報Ⅰ」ばかりでなく、より専門的な知識を踏まえた「情報Ⅱ」の履修人数を、2年後までに全高校生の50%以上にしようという目標も立てられているとのことです。

 

chatGPTをはじめとして、各種AIの進歩も目覚ましいものがあります。(個人的には、音楽生成AI・SUNOで遊ぶのにハマっています)

 

誰もが到来を感じながらも実感の薄かった情報化社会が、いよいよ加速化しているわけですね。

 

1980年代の映画に「ヴィデオドローム」という作品があります。

 

難解な作品ですが、簡単に言うと「メディアの暴走」を描いたものです。

 

「ヴィデオ」という刺激に満ち溢れたメディアに引き込まれ、人間がメディアの一部として取り込まれていく様を描いたSFホラーなんですが、これ、「ヴィデオ」を「スマホ」に置き換えると、今を生きる私たちにも通じる部分がないでしょうか。

 

昨今、ショート動画をスワイプし続けることで人差し指の筋肉を鍛えている人たちを思い出させます。

 

決して生徒たち世代の若者に限ったことではありません。

 

身近なところで言えば、60も半ばにさしかかる私の父も一時期なにかにとりつかれたようにショート動画を見ていました。(老眼で最近挫折したようです)

 

恐ろしいことです。

ただ、いくら恐ろしいからと言って、

 

メディアに取り込まれていくのは怖い!!

 

デジタルデトックスだ!!

 

と、「スマホ断ち」してしまうのは乱暴なように思います。

 

現実問題として、魅力的で、有用で、私たちの心をつかんではなさないメディアがそこにあるのは事実です。

 

あるものをないものとして、見て見ぬふりをすることには限界があります。

 

むしろ、適切な距離の取り方、上手な付き合い方を見定め、訓練していくことの方が有意義です。

 

学校で学ぶ教科として、入試科目として、存在感を増している「情報」。

 

デジタルネイティブの生徒たち世代には、メディアを使っていくなかでリテラシーを身に付けてほしいですね。