小学校高学年の算数授業
Moveの小学生算数授業は週に1回で、50分×2回です。
1時間は演習授業で、1時間は一斉授業です。
5年生が5時から一斉授業で6時から演習授業、
6年生が5時から演習授業で6時から一斉授業です。
さて、その一斉授業では問題はあまり解かずに
自分たちのやっていることを自分で説明できるようにする
ということをやっています。
一斉授業というより、探求授業に近いですね。
例えば、
今の時期は5年生は小数の掛け算・割り算、
6年生は分数の小数の掛け算・割り算を習っていますが、
4÷0.5 = 8
という計算は何を表しているか、そんなことを生徒に説明してもらっていました。
誰かが説明に失敗すれば、次の子がそれを参考に説明する。
そうやってみんなが納得できる説明を作っていく、そんな授業です。
授業の内容もさることながら、取り上げた問題については如何でしょうか?
大人の方にはそれほど難しくないと思いますが、
お子さんは説明できるでしょうか?
おそらく小学5年生の半分以上の子が説明できないでしょう。
分かっていないままに計算ドリルに取り組んでいませんか?
「計算の答えは合うけれど、何をやっているか分からない」状態に陥っていませんか?
6年生の子はどうでしょう?
7÷1/3 = 21
この計算が何を表しているか説明できますか?
「7を1/3で割ったら21になる」なんていう答えでは駄目ですよ。
割るとはどういうことか?
この場合の21は何を表している数字かということです。
さらに言えば、
4÷0.5 = 40 ÷ 5 = 8
というように、小数がいやだからと言って、4も0.5も10倍して「40÷5」にして割ることが許されているのは何故でしょう?
小学6年生では、
7÷1/3 = 7×3 = 21
というように、逆数をかけることが許されているのは何故でしょう?
Moveの算数の授業では、私と子どもたちがあれこれと意見を言い合って、
最終的にその計算の不思議に迫るということをやっているのです。
とは言え、決して高度なことをやっているわけではありません。
上のようなことは、答えが分かっている子にとってはめちゃくちゃ簡単です。
実際に、Moveの授業でこれらを取り扱ってみると、
最初はとんちんかんなことを言っていた子達が
50分授業の終わりには
「めっちゃ簡単じゃん」
と笑顔で言い出していました。
基本はできるけど応用ができない
さて、
こうした「計算の意味」をそもそも分かっていない子が多い現実を目の当たりにすると、
多くの子どもや保護者の方が「基本はできるけど応用ができない」と口にする理由もよく分かります。
応用問題が何を指しているかによりますが、
「計算問題はできるけど、文章題になるとどんな計算をしたら分からなくなる」と言う子は、ほぼ間違いなく上のような計算の意味を理解していません。
だから、どんな計算をしたらいいのか分からない。
しかし、その計算がどのようなことを表すのかは、決して応用ではありません。
基本でもありません。
「基本中の基本」であるはずです。
その「基本中の基本」を疎かにし続けると、計算問題しかできない子が出来上がるのです。
逆に、そうした計算の意味や計算方法の理由を理解している子にとっては、文章題なんて応用でもなんでもないはずです。
「そりゃ、そうだ」の世界です。
応用問題を解くために必要なのは、実は、そうした「基本中の基本」の積み重ねなのです。
そうすると、中学校レベルでは、応用問題なんてまず存在しないことに気がつくでしょう。
そんな感覚を持って中学に上がる子を育てていきたいですね。
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