家族で食事中に歴史談義
(トップ画像は、フランスにある第一次世界大戦の記念碑です)
今日はちょっと固いけど、いい話。
日曜日の晩御飯は、家族揃って食べるのが宮脇家の習慣。
普段は塾の授業で夕ご飯を一緒にできることも少ないですからね。
僕と奥さんと小学4年生の息子の3人での食事です。
その中で、
「イギリスは紳士の国だ」という話から、イギリスにまつわる歴史の話になり、第一次世界大戦や第二次世界大戦の世界情勢の話になり・・・(いったい何の話してんだ)
そして、ふと思いついたお題を息子に出してみました。
「第二次世界大戦以降、もちろんいくつかの戦争が起きたけど、明らかにその数は減った。特に21世紀に入ってからぐっと減ったわけだけど、それはどうしてか分かる?」
我ながら、とても小学校4年生にする質問とは思えません。
奥さんも隣で答えがピンときていないようです。
でも、この質問の答えは、おそらく10代の子たちみんなに関係してくるだろうし、素直に親の話を聞くうちに話しておきたかったのです。
皆さんはどう考えますか?
戦争が減った理由。
核の抑止力?
情報通信技術の発達?
少子高齢化?
みんなが優しくなった?
戦争するだけのお金がない?
息子もあれこれ答えてくれましたが、僕が考える本質的な理由はそのどれでもありません。
世界全体で戦争が減った理由。
それは、
戦争する意味がなくなったから。
戦争が減った理由
元々、戦争というのは、領土争いです。
自分たちの領地を広げることによって、その土地に眠る資源や、そこに住む人民、あるいは市場を手に入れるために行うのです。
帝国主義時代の植民地の取り合いはまさにその典型ですし、
戦争が続発する中東で言えば、宗教や民族がらみの要因もありますが、大国が絡んできたのはそこが原油の一大生産地だからです。
古来より領土=富の源泉であり、戦争はその奪いあいだったのです。
では、現代はどうか。
富の中心が明らかに変わった。
地下に眠る「地下資源」よりも、IT関連や科学技術等の「知的財産」が世界の富の中心となりました。
もちろん地下資源は未だ重要なのですが、今や、相対的に「知的財産」が世界の富の中心にあることに異論はないでしょう。
例えば、現在、世界でもっとも価値が高い知的財産が集まるのは、アメリカのシリコンバレーです。
では、中国やどこかの国がシリコンバレーに侵攻し制圧したとして、シリコンバレーの知的財産は手に入るでしょうか?
入らないですよね。
知識や技能、データといった形で蓄積される富は、戦争では奪えない。
それらはあくまで人に蓄積されるものだから。
だから、戦争を仕掛けるのはあまり意味がなく、戦争をする理由そのものが薄れていったという説明はそれなりに説得力があるでしょう。
知力は富の源泉である
さて、この話からどんな教訓が引き出せるか。
世界が平和になることはいいことだね、というのはもちろんなのですが、
ここで強調したいのは、現在、世界の富の中心は「知的財産」にあるということ。
つまり、
勉強すればするほど、知力を高めれば高めるほど、
現代世界の中心に位置する富の源泉を身につけられる。
しかもそれは、そう簡単には他の人に奪われることのないもの。
自分の中にある、自分だけの富の源泉。
勉強するということは、そんな富の源泉を自分の中に貯めるということ。
正直、僕は学生の子たちが「勉強する意味が分からない」というのがさっぱり分からない。
そうやって考えるだけでも十分勉強する意味はあると思うけどな。
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茂木 卓史 (月曜日, 18 1月 2021 08:15)
宮脇先生おはようございます。恥ずかしい話ですけど、知りませんでした。米露の大国の傘のもとに勢力が別れ、均衡してきたからと思ってました。地下資源から知力への移り変わりとは、不思議な話で川手先生の土から風の時代に占星術で変わる1月に、先生の話が見れて嬉しいです。いつも本当にありがとうございます。