選抜Ⅱを終えた君へ

 

今日で令和3年度広島県公立高校入試選抜Ⅱが終了しました。

 

受験生のみなさん、大変お疲れでした。

 

 

初日の問題を見ると、どの科目もひと癖もふた癖もあり、苦労した子が多かったでしょう。

 

難しい問題も散見されました。

 

数学は、難易度の差がかなり大きかったですね。

 

だから、できなかったと嘆くのは早計ですよ。

 

落ち着いて結果を待ち、卒業までの残り少ない中学校生活を楽しんでください。

 

 

 

さて、塾としてはこの選抜Ⅱが年度の区切りとなります。

 

で、どうも毎年この時期は感傷的になるものです。

 

 

 

その感傷ついでに、中3の子たちに以下の話を伝えておきたい。

 

毎年修正・加筆している文章です。

 

 

 

多分に私の主観の入った意見ですが、毎年この言葉で救われたという子がいるので、長文ですが綴っておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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以下は高校受験を終えた中3向けに書いたもので、長文です。

 

勘違いする人がいたら嫌なので、中2以下の人は、読んでもいいけれどちゃんと文脈を読み取ってくださいね。

 

本当に長文です。その覚悟を持ってスクロールしてください。

 

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伝えたいことは、以下の二点。

 

 

 

 

・「高校入試なんかで人生決まらない」

 

 

そして、

 

 

・「高校入試で人生の岐路との向き合い方を学んだか」

 

です。

 

 

 

 

 

 

 

 

だいたいね、高校入試なんかで人生が決まる訳がないんですよ。

 

 

中学3年生は、まだ15歳。

 

15歳の段階で、今後の人生が決定づけられるわけがない。

 

君たちも決められたら困るでしょう?

 

 

 

私の指導歴の中でも、

 

高校受験は残念な結果に終わったけれど、

 

その後周りが驚くような頑張りで、

 

大学入試において自分の希望を叶えた人は数多くいます。

 

その一方で、

 

高校入試で希望をかなえたのだけれど、その後、やる気をなくしたのか、

 

「むしろ高校に合格しなかった方が良かったのかも?」

 

と思う子もいます。

 

 

 

もちろん、希望を叶え、その後も飛躍し続けた人もたくさんいます。

 

 

 

 

要するに、

 

 

高校入試なんかでは何も決まらず、

 

本当に大事なのはその後の努力だということ。

 

 

 

 

高校入試は、義務教育を終えた君たちが

 

自分の行き先を自分でつかみ取る初めての試練という意味で、

 

大きな意義を持ってはいるけれど、

 

希望者全員が高校に行けるようになっています。

 

そして、よほど特殊な学校・学科に行かない限り

 

君たちの人生の方向性はまだ何も決まっていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

君たちの中にも多くいますよね?

 

「将来何をするかなんて特に決めていないけれど、

 

高校は行っておいた方がいいから受験した」という人が。

 

それ自体は何も非難されることでもないし、それはそれでいいと思います。

 

 

 

 

だけどね、

 

 

 

 

次はそうはいかないのです。

 

 

 

 

3年後、高校を卒業する時に掴み取る進路は、

 

ある程度君たちの人生を規定する。

 

 

 

 

例えば、私は大学で経済学部を選択したけれど、

 

その時に物理学の世界には足を踏み入れないことを決めたようなものです。

 

他方で、生物学を志した人は、文学の世界で生きていくことはまずないでしょう。

 

あるいは、料理の専門学校に進んだ人は、スポーツの世界で生きていくはないでしょう。

 

 

 

 

良いとか、悪いとかの話ではありません。

 

自分が何を選択するのか?

 

という問題です。

 

 

 

その選択を君たちは3年後に迫られるのです。

 

もちろん大学入試だけが人生の全てを決めるわけではありません。

 

 

 

その後の就職、結婚、昇進、転職などなど、その都度、人生の節目節目で選択を迫られます。

 

おそらく今後は一つの道だけで人生を終わらせることがない世の中になりそうで、その選択の回数は増えると思われます。

 

 

 

 

 

 

 

何かを選ぶことは、何かを選ばないということ。

 

 

 

そうやって自分の道を狭めながら、

 

時に方向を変えながら、自分の選んだ道を進んでいくのです。

 

 

 

 

 

ただ本当にやっかいなことに、

 

これからは自分が選択したからといって、

 

必ずしもそれが実現できるわけではない

 

という現実が待ち構えています。

 

 

 

大学入試は高校入試よりもっと厳しい。

 

倍率3倍なんてザラです。

 

しかも、本当に大学に行けるかどうかなんの保証もない。

 

 

もちろん大学入試がうまくいったからといって、

 

やりたいことが実現できるとは限りません。

 

道半ばで敗れ、方向を修正することだってあり得ます。

 

 

 

 

これも決して非難されることではないけれど、

 

本人としては「つまらない」でしょう。

 

 

 

 

 

私自身は

 

「自分のやりたいことが実現出来たら、それが幸せ」

 

なんて思っています。

 

 

 

目指すものは何でもいいですよ。

 

なんでもいいけれど、それが本当に実現できるかどうかは別問題です。

  

 

 

自分がやりたいことを実現するためには、実力が必要なのです。

 

 

 

 

通常、実力がなければ自分の夢をかなえることはできません。

 

 

 

 

 

実力とは何を指すのか?という問題はありますが、

 

学力だって立派な実力です。

 

 

 

いや、むしろほとんどの職業で関係する実力でしょう。

 

 

 

 

 

分数の計算ができない人は、学校の先生になれません。

 

 

英語が話せない人は、通訳にはなれません。

 

化学の知識を持っていない人が薬剤師をしているのなら、大問題です。

 

世界情勢に疎い人に、世界をまたにかけるビジネスマンは無理です。

 

 

 

 

 

 

そして、中学3年間で経験したように、

 

実力というのは努力の結果ついてくるものなのです。

 

 

 

だとすれば、

 

自分の夢を実現できるかどうかは今後の努力にかかってくる

 

と言えます。

 

 

 

だから、

 

君たちの人生は今回の結果よりも、

 

これから先も努力を重ねていくかどうかにかかっているです。

 

 

 

 

もちろんこの高校入試が全くの無意味だった訳ではありません。

 

 

 

しかし、いずれも君たちの人生を決定づけるものでは全くありません。

 

 

 

 

そんなこと以上に、この高校入試で本当に重要だったのが、

 

初めて迎えた人生の岐路に対してどう向き合ったかです。

 

 

真正面から向き合ったかどうかです。

 

 

 

 

どこか気持ちとして逃げながら高校入試を通過してしまうと、次の岐路の時にどう向き合っていいのか分かりません。

 

 

 

今回の高校入試に正面から取り組み切ったと言えるでしょうか?

 

全力でやり切ったでしょうか?

 

 

 

そう言い切れる人は、素晴らしいことです。

 

その経験はきっと次に生きることでしょう。

 

 

 

そうでない人はちょっと大変です。

 

どこまでやればいいのか。

 

どんな気持ちで臨めばいいのか。

 

次の岐路を迎える時には、そんなことから探らないといけません。

 

 

 

 

かなり個人的な価値観になるけど、

 

怖いと感じながらその怖さを乗り越えた経験があれば最高だと思っています。

 

 

 

 

ある試練がある時に、その試練を「怖い」と感じて挑めるかどうか。

 

 

 

 

「怖い」と思うということは、

 

その先に自分の望む世界があるけど、

 

その実際の様子を知らないから「怖い」と思うのです。

 

 

 

行きたくもない、興味もない世界なら、単に「面倒くさい」と思うだけ。

 

 

 

 

「怖い」と思うのは、あなたが

 

その知らない世界に飛び込んでみたいと本気で願っているからこそです。

 

 

 

その意味で、怖いと思うことは真摯に努力を重ねる前提条件なのです。

 

 

 

 

「怖い」と思いながら、

 

膝をガクガク震わせながら

 

手をプルプルさせながら挑戦したこの数ヶ月間こそが

 

大事なことだったのです。

 

 

 

塾生の中にも「怖い」と何度も口にする生徒がいました。

 

その気持ちが大切だったのです。

 

 

 

 

そう思いながら高校入試を乗り切った経験は

 

その成否にかかわらず、次の挑戦につながります。

 

 

 

合格したら成功体験として自信になるでしょうし、

 

残念な結果に終わったとしても、

 

その経験が次の原動力になります。

 

 

 

繰り返しになりますが、

 

怖いと思いながら挑戦したことは、

 

成功しても失敗しても、次につながるのです。

 

 

 

 

高校入試なんて終わってしまえばたかが通過点。

 

これからの人生の方が長いのです。

 

 

 

ぜひ今回の経験を活かして、

 

今後の人生の糧にしてくださいね。

 

 

 

  

最後になりましたが、

 

私に関わってくれた全ての生徒が

 

今回の経験を糧に、

 

自分のやりたいことを実現する

 

幸せな人生を歩むことと願っています。

 

 

 

 

高校入試、本当にお疲れ様。

 

 

これから先も共に頑張っていこう。 

 

 

 

 

 

 

下の写真は、ケーブルテレビ「ちゅピコム」で放送された選抜Ⅱの解答速報の時に、アナウンサーの関本さんと撮ったものです。

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コメント: 1
  • #1

    茂木 (水曜日, 10 3月 2021 23:30)

    ブログを読んで涙しました(^^)/何かを選ぶことは、何かを選ばないと言うこと。
    そんな考えは持っていませんでした。ビックリですが仰る通りですね
    しかし、一番心に響いたのが、下記です。
    怖いと感じながらその怖さを乗り越えた経験があれば最高だと思っています。
    先生、これは言葉に出来ないながらも思っていたことなので、言葉で伝えてくれて本当に感謝です。
    ここを挑むかどうかで凄い違いになると思ってます。
    誠にありがとうございます。