衝撃の令和2年度入試
多分、このことを大きな声で言う塾の先生は少ないんじゃないかと思っています。
だって、自分の首を絞めることが目に見えているから。
こんなことを大きな声で伝えても生徒の学習姿勢に悪影響が出てもいけないし、ぶっちゃけ世の中の「塾にいかないといけない感」が薄れることも予想できる。
塾としては死活問題なのかもしれない。
だから、この事実はなるべく知らせない方がいいし、目を背けていたい。
しかし、事実なのだから仕方ない。
データを冷静に眺めることができない人は、どのみち先がしれている。
今からあげる数字は広島県全体の数字です。
しかし、これと同じような状況は全国の地方都市・町・村で起きているでしょう。
その数字とは、広島県公立高校入試における一般入試(選抜Ⅱ)の受験倍率。
令和2年度入試(昨年)の
広島県公立高校全体の選抜Ⅱ平均倍率は、
衝撃の1.03。
(最終受検者倍率)
え? 1.03?
と、驚いてくださいね。
そうなんです。
実は昨年の入試においては、広島県全体の公立高校入試は平均して103人が受験して合格者は100人・不合格者は3人という状態だったのです。
昨年の入試は、平均倍率だけを見たら高校入試が選抜試験として機能しなくなる一歩手前だったのです。
これは全国的な傾向であり、こんなニュースが昨年の段階ですでにでていました。
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/26656.html
令和2年度入試受検状況・概略
ここで、各学科ごとにまとめた倍率表を見てみましょう。
工業科や家庭科などの専門学科で、いくつかが倍率で1倍を切っています。
普通科でさえ、1.06。
皆実高校の看護科は人気ですね。
全体の倍率を5年ほど遡ると、こんな推移を辿ります。
5年前 平成28年度入試 1.20
4年前 平成29年度入試 1.15
3年前 平成30年度入試 1.13
2年前 平成31年度入試 1.12
昨年 令和2年度入試 1.03
データを正確にたどれるのが5年前だったので、そこまでの記載にしていますが、10年前はこの数字は1.30をゆうに超えていました。
それが今や1.03。
しかも、昨年いきなり下がったのです。
びっくりしました。
その原因は少子化にあるのは間違いないです。
下の表をご覧ください。
定員 | 最終受検者 | |
平成28年度入試 | 12,603人 | 13,874人 |
令和2年度入試 | 10,864人 | 11,235人 |
この5年間で、広島県全体の公立高校で1,800人の定員削減をしているにも関わらず、受検者数が2,600人も減ったために、倍率は1.20から1.03まで低下することになりました。
この影響は大きいですね。
また、私立高校の受け入れ枠拡大も影響しているでしょう。
AICJや城北、安田等の私立高校も選択肢として存在感を増してきました。
結果、公立高校入試の選抜Ⅱに進む子は随分と減ってしまいました。
ただし、勘違いしないでください。
広島市の平均倍率は相変わらず1倍を優に超えていますし、
人気校は相変わらず狭き門です。
この話は大変デリケートです。
平均倍率だけをみて判断すると、少なくとも広島市在住の子はいたい目に合うでしょう。
次回、各高校の状況を詳しくみていきます。
今回は全体的にこうした傾向にあるということを知っていただくということにとどめておいてください。
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