今日、友人と話をしていると、「学校教育におけるICT導入の遅れ」が話題になりました。
例えば某県立高校では、授業動画の配信拡充に二の足を踏んでいるとのこと。
WiFi環境を整備するなど、どうしてもお金の話が絡んできますので、全生徒にそれを強要することに躊躇するみたいですね。
緊急事態宣言の時には、あれだけ騒がれた配信動画授業。
あれから半年が経って、進展があったという話も聞きません。
そして、こうした話になると僕の頭によぎるのは、決まって2018年度のPISA調査のこと。
日本のICT教育の遅れがはっきりと分かります。
そこで、今日は昨年の冬に発表されたPISA調査で問題視された点を改めてみてみようと思います。
PISA学力調査2018の結果
PISA調査とは「Programme for International Student Assessment」の略称で呼ばれる国際的な学習到達度調査です。
(トップ画像のピサの斜塔とは関係がありません)
主にOECD加盟国の15歳を対象に3年ごとに行われます。
調査項目は主に3つ。
読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー。
日本は、
数学的リテラシーはOECD加盟国の中で1位。
科学的リテラシーは2位。
しかし、読解力は問題でした。
11位です。
一体この原因はどこにあるのでしょう。
その答えと思われるものが、PISA学力調査のポイントをまとめた報告書にありました。
↓下で解説しますが、興味のある方はぜひこちらをご覧ください。
読書の質
読解力と言うと、すぐに読書量が問題となりますが、実は今の高校生はOECD平均と比べてみても、読書に対して積極的です。。
読書の時間がムダだなんて言う生徒はほとんどいない。
結構、みんな読書が好きなのです。
少なくともOECD平均よりは。
しかし、問題は次です。
ここが日本の不思議なところです。
コミック(マンガ)を読むことが本を読むことに含まれるかどうかは別にして、日本人はやたらマンガを読む。
そして、次にフィクション(小説、物語)を読むということが明らかになっています。
考えてみれば、「本を読む」という場合、多くの人は「小説を読む」と同義です。
それ自体が間違っているわけではありませんが、ノンフィクション(伝記やルポルタージュ)をほとんど読まないのはなぜでしょう?
もっと社会情勢を解説した本も読んで、現実社会への考察力を身につける必要があるはずですが。
デジタルデバイスとの付き合い方
次に、デジタルデバイス(パソコンやスマホ)との付き合い方ですが、
上の右側のグラフを見れば、日本の高校生はやたらとスマホでチャットをしている。
まあ、さもありなんといった感じですね。
インターネットニュースを読むは、どの記事を読んでいるかによって評価が分かれますが、まあそれなりにゲームもして、ニュースを読んでいるようです。
一時はスマホを持たせない方がいいのではないか、なんて話もありましたが、私は反対です。
と言うよりもう無理です。
これからの超スマート社会を迎えるにあたって、スマホを持たせない方が怖い。
これからは、スマホ・PCを制限するのではなくて、スマホ・PCを使いこなせ!が正しいでしょう。
スマホやPCを使って政治経済のデータを拾ってきたり、自分でまとめてみたり、そんな使い方が必要です。
つまり、学習にこうしたデジタルデバイスを積極的に活用するべきなのです。
しかし、左側のグラフは、日本の学校がそうした使い方ができていないことをはっきりと示しています。
そのため、高校生のほとんどがそうした使い方ができていない。
ゲームやったり、チャットをやったり。
勿体無いですね。
社会に出れば、必須項目となるPC・スマホの実用的な活用。
高校生にうちから身につけておくのは、日本社会全体にとって不利益になるとは到底思えないのですが、しかし遅々として進まない。
もう待ったなしだと思うのですが、どうしてこんなに進まないのでしょう?
2018年の段階から大きく前進した話も聞きません。
コロナ問題で、それまでの問題点がすっかり表に現れなくなりましたが、ずっとくすぶっている大切な問題だと感じています。
皆様はどう思われますか?
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