2020年度段階で
中学1年生の生徒から適用される
新・広島県公立高校入試を追う企画。
1回目を書いた後、
別の話で2回記事を書いたら
「いきなり中断するのですか?」と
言われてしまいました。
いやいや。
しっかり書いていきますよ。
今日は第2回目。
特色枠の扱いについてです。
特色枠って何?
まず、
前提として令和5年度入試からは
全員が一次選抜を受験し、
原則、その一発勝負であることが
分かっています。
県教育委員会は、
その一次選抜で、以下のような配点を基本配点としました。
これが、いわゆる一般枠での配点です。
学力検査:内申点:自己表現=6:2:2
前回も書きましたが、
これまで内申点命の配点を続けてきた広島県としては、
なんとも思い切った改革を断行しましたね。
ただし、
この一般枠の配点は、
定員の50%以上に適用すればよい、
という扱いであることに注意が必要です。
つまり、
各学校の裁量で一般枠以外の配点を
定員の50%以下に適用できるのです。
その枠を特色枠と呼びます。
この特色枠の位置付けについて
県教育委員会のパンフレットには
こう記されています。
【特色枠による選抜】
- 学科・コースの特色が出る内容で実施する選抜方式
- 入学定員の50%以内で合格者を決定します。
- 特色枠による選抜を実施しない学科・コースもあります。
注目したいのが、
「学科・コースの特色が出る内容で実施する選抜方式」という言葉。
実は、この入試を実施するに先立ち、各学校は
- 教育目標(スクールポリシー)
- 育てたい生徒像
- 入学者受入方針(アドミッションポリシー)
を公表しなくてはなりません。
その3つに従った配点を設定しますよ、ということですね。
う〜ん。
まさに大学入試改革を思いっきり意識した改革。
本家本元の大学入試改革が
骨抜きになったにも関わらず、
広島県は高校入試の段階で
その精神を引き継ごうとしているのです。
個人的には、
各学校にはぜひ思いきった方針を
設定していただきたいと
願っています。
多様性にあふれる生徒たちが
様々な基準で評価されることは
素晴らしいことですから。
合格の順番はどうなるのだろう?
また、
ここでちょっと注意しておきたいのが、
特色枠が設定されている場合の
合格判定の順番です。
一般枠が基本ですので、
一般枠での合否判定が
優先されるかと思いがちですが、
逆です。
つまり、
- 特色枠での配点で合否判定を行う
- 1で不合格になった子の中から一般枠での配点で合否判定を行う
この順番で合否判定を行います。
図にするとこんな感じ。
(県教育委員会のパンフレットより抜粋)
学校側が欲しい力を持っている子から
合格させるのは、
多様性という観点からも大切なことですね。
よく考えられています。
特色枠の配点はどうなるのだろう?
では、
その特色枠の配点はどうなっているのか?
残念ながら、
2020年8月現在で、
この配点を公表している高校は
まだありません。
配点のみならず、
定員に対する割合も、
まだ何も分かりません。
想像だけが膨らんでしまいますね。
極端なケースを想定するなら、
例えば基町の創造表現コースでは、
学力検査:内申点:自己表現=2:3:5
のような配点もあり得ます。
(単なる想像です)
他にも、
例えば今現在でも、
選抜Ⅱで内申点重視枠を持っている
沼田高校や可部高校では
内申点や自己表現に重きを置いた配点を
導入するする公算が高いですね。
総合学科の観音高校や高陽東もそうでしょう。
むしろ気になるのは、
基町高校や安古市高校といった
進学校です。
一般枠での配点を100%にすることもできるわけですから、
そのまま学力重視とも言える一般枠配点を100%採用して、
特色枠を設けないことも考えられます。
あるいは、
さらに学力検査を重視する配点を
設けることも考えられます。
どのような特色枠を設けるのか、
あるいは設けないのか。
子どもたちの中学校生活の過ごし方に
関わってきますので、
早く発表して欲しいですね。
コメントをお書きください
茂木 (水曜日, 19 8月 2020 21:33)
宮脇先生こんばんわ、この類の情報は一般の保護者が調べようとした場合、探せるものなのでしょうか?方針を知ると知らないとでは受験勉強の方法も違ってくる気がします。親の心の持ち方も
宮脇 (水曜日, 19 8月 2020 23:12)
茂木さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
広島県は結構情報公開をしてくれるので、教育委員会のHPに載っていますよ。
ぜひご覧ください。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kyouiku/sennbatsu-kaizen.html