『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』
近頃はこんな本を読んでいます。
『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』
アンドリュー・O・スミス著
桜田直美訳
2019, SBクリエイティブ株式会社
表紙の画像を貼るのは著作権違反に当たる可能性があるので、割愛。
その代わりAmazonのリンクを貼っておきますね。
こちらです。
この本を手に取って最初に面白いなと思ったのですが、
タイトルに「アメリカの高校生が学んでいる」とありながら、
帯には
「20代から知っておきたいお金の基本」
「日本の学校では教えてくれない」
とあります。
アメリカ人が高校生から学んでいるのであれば、日本人だって高校生から学んでいいはずです。
それだけ、日本のお金教育がアメリカに比べ遅れているということなのでしょうか。
私は普段から、高校入試・大学入試の先にある人生の進み方について、つまりキャリアについての教育の重要性を主張していますが、こうした本はどんどん読んで欲しいと思います。
Move文庫の中に入れておきますので、興味がある人はぜひ読んでくださいね。
キャリア形成について
さて。
この本は全14章からなり、序盤の3章はまさに「お金とキャリア」についてです。
あくまで「教科書」であり、一つ一つを掘り下げて書いているわけでなく網羅的に書かれているのですが、それでも私も知らなかったことがあったりして勉強になります。
「借金」や「金融詐欺」について取り上げていたりします。
中でも、興味深いと思ったのが、アメリカの転職事情。
「アメリカにおけるベビーブーム世代(1957年〜1964年生まれ)のいちばん若い層は、50代の半ばにさしかかっている。そんなキャリアの終盤が近づいた彼らは、平均して12の違う仕事を経験している。…(中略)…現代のアメリカでは、ひとつの仕事を続ける長さは平均して4年半になり、キャリア初期のほうが転職回数は多くなる傾向がある」( 『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』, 2019, p.40 )
とあります。
平均して12もの仕事を経験しているのは、驚きですね。
4年半で一回の転職。
「一度ついた職は一生続けるのが良い」といった固定観念がある人にとっては驚きでしょう。
そんなアメリカの事情を背景に書かれたこの本では、
「転職する際にはどんな考え方で転職するといいのか」
「転職を前提に最初のキャリアをどう選ぶべきか」
「起業する際にはどのような考え方・知識が必要か」
と言った内容にまで触れられています。
正直、羨ましいと思いました。
日本では高校生の段階でこのような情報に触れることはほとんどありません。
全員とは申しませんが、一般的には
「中学・高校生のうちは、とりあえず上の大学を目指して頑張っていればいいんだ。
その後のことは、大学に入ってから考えればいい」
というような考え方が支配的です。
そして、大学に入っても特に何も考えないまま「ご縁があった場所」に流れていく子が多いように思います。
(そして、数ヶ月、数年で挫折していく子も・・・)
そうではなくて、社会に出てからのキャリアに思いを馳せながら、大学を決め、その前段階の高校や中学を有意義に過ごしてほしいと思います。
もちろん、全てを予測することなんて不可能ですが、世の中は変化し続け、自分の境遇も変化し続けることを前提に、どうキャリアを積み重ねるか。
その指針に関する情報も書かれていました。
そうした自分の未来に思いを馳せ、中学生や高校生のうちからワクワクしてほしいなと願っています。
そのために勉強が必要だと思えたなら、そりゃ、勉強へのやる気も自然と上がるでしょうね。
【このブログを書いた人】
(写真はケーブルテレビ入試解答速報出演時のもの・筆者右側)
進学空間Move塾長 宮脇慎也
27歳まで広島大学大学院の博士課程に在籍し、塾業界に飛び込む。2013年に進学進学空間Moveを設立。個別演習×キャリア教育の二本立てで、理想の塾を追求する。妻と小学生の息子との3人暮らし。
趣味は広島発祥のマイナースポーツ・エスキーテニス
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