安古市高校が定員割れした件について
※この記事は、安古市高校が令和3年度入試で定員割れを起こした時点で書いた記事を、2年連続の定員割れを受けて加筆・修正したものです。コメント欄のコメントは2021年段階のものであることをご承知ください。
ここ最近の公立高校入試で、もっとも驚いたトピックがこれですね。
安古市高校の倍率が2年連続で1倍を下回る。
令和3年度入試が最終受験倍率0.99
令和4年度入試で最終受験倍率0.85
いやあ、驚きました。
安古市高校といえば、広島市北部地域において絶大な人気を誇る、基町高校に次いで広島市北部地域No.2高校という位置付けのはず。
令和3年度は難関大学(旧帝大や一橋・神戸・医学部)に15名の合格者を出し、広島大学にも30名以上が合格する進学校。
その安古市高校の倍率が、2年連続で定員割れを起こしたのです。
以前も安古市高校の入学志願者が極端に少ない年があったのですが、その時にはどうにか1倍を維持しました(1.02)。
10年ほど前は押しも押されもせぬ人気校であった安古市高校のこの凋落は一体どうしたことか?
塾業界でもこの件は話題となりました。
しかし、誰もその原因について明確な答えを持っていません。
もちろん僕も持っていません。
しかし、4つほど心当たりがあります。
多分、その4つの要因が複合的に重なったのだろう、と。
その要因とは
①立地の悪さ
② 安佐北区の生徒数減
③ コロナによる文化祭の中止
④ 国公立重視の進路指導
です。
そのうち、
この前半では①、②をを取り上げます。
考察①: 立地の悪さ
考察とも呼べないものを最初の要因に挙げますが、
安古市高校はもともと交通の便が悪いところに位置しています。
毘沙門台という高台の団地の中にあり、自転車通学の子は山の上まで自転車を漕いで行かねばなりません。
最近は電動自転車が普及してずいぶん楽になったとは言え、平地の学校に比べれば不要な労力であることに変わりはありません。
また、JRを使う生徒にとっても不便な場所にあります。
最寄り駅の緑井駅からはとても徒歩で行ける距離ではなく、さらにバスに乗り換える必要があります。
安佐北区の生徒に聞けば、緑井駅で乗り換えるくらいならそのまま街中に行って基町や国泰寺高校に通った方が楽だという意見も聞きます。
さらに、アストラムラインの子にとってはどうでしょう。
JRに比べればまだ楽なのですが、最寄りの毘沙門台駅で降りても、そこから10〜15分程度山の上に向って歩かないといけませんね。
ちょっと躊躇してしまうところです。
バスであれば、唯一、比較的通学が楽かもしれません。
緑井駅や大町駅から学校のすぐ前まで連れて行ってくれますね。
ただ、頼みの綱のバスでさえも安佐北区の高陽地区からは通学時間帯に使える便が1本しかなく、同地域からの志願者減の要因になっているのは間違いありません。
結局、周辺に住んでいる生徒以外は、誰にとっても不便なところにあるのが安古市高校なのです。
そう考えると、それにも関わらずこれまで人気校であり続けたことの方が驚きで、立地の悪さを補ってあまりある魅力があったということでしょう。
それが②〜④の要因が重なり、この立地の悪さが目立ってきたと考える方が自然ですね。
では、それを踏まえて②〜④の要因もみていくとしましょう。
考察②: 安佐北区の人口減について
安古市高校がある安佐南区は、この人口減少時代でも比較的人口が維持されている地域なのですが、お隣の安佐北区は減少が止まりません。
それもこの10年はそのペースもすさまじいものがあります。
下の表は、安佐南区と安佐北区それぞれの中3生の総数を表したものです。
中学3年生人数 | ||
安佐南区 | 安佐北区 | |
平成22年 |
2,242人 | 1,486人 |
平成24年 |
2,506人 | 1,430人 |
平成26年 |
2,497人 | 1,310人 |
平成28年 |
2,577人 | 1,249人 |
平成30年 |
2,528人 | 1,215人 |
令和2年 |
2,451人 | 1,165人 |
令和3年 |
2,521人 | 1,147人 |
このように、なんと安佐北区では中3生の生徒数がこの11年間で1486人から1147人と、300人以上(約23%)も減っているのです。
一方で、安佐南区は西風新都、春日野、祇園地域の発展もあって、人口を維持しているのがわかりますね。
(安佐南区のこの傾向は、あと5〜6年は続くことがわかっています。)
比較してみると、安佐北区の減少幅の大きさが伝わってきますね。
安古市高校を受ける生徒は、どんなに低くても偏差値55以上(上位3分の1)の成績がないといけません。
また、その偏差値帯に位置する高校は、安佐北区・安佐南区の両方で安古市高校しかありません。
全体で300人減れば、偏差値55以上の生徒は100人近く減っているはず。
そして、そのうちの何割かは安古市高校の志願者数減の要因となります。
なるほど。そりゃあ、倍率も下がるわけです。
令和5年度入試では制度が変わるので読みづらいですが、定員削減もあるかもしれません。
検討はされているはずです。
同じ倍率が続くとは思わない方がいいでしょう。
その②に続く。
コメントをお書きください
茂木 卓史 (土曜日, 01 5月 2021 07:49)
宮脇先生、おはようございます。定員割れで受かる確率が増えると思っていた単純な親です。(笑)定員削減と言う方向があるのは初めて知りました。少子化と簡単に言われてますが、数値で説明して頂けると本当に分かり易いです。ありがとうございました。
オマル (月曜日, 31 5月 2021 14:42)
2期生です。妹は5期生です。倍率が1.0倍を下回る定員割れですが、以前も御座いました。一番最初の定員割れは、5期生の入学試験の時です。1期生は学区制が敷かれるまえ。2期生で学区制が敷かれました。(確か今は学区制は取り払われているのですよね?)3期生と4期生と成る受験生を進路指導された、中学校の先生方は安古市高校の合格の偏差値を漸く掴み始めます。それが3期生と4期生の倍率1.0倍=全員合格でした。(確かそうです。私の記憶が違ってたら、済みません。)で。5期生と成る受験生に志願者数が定員数を一名を割る情報が入ります。すると一名の男子中学生が博打に出ました。がしかし5期生は一名の定員割れします。はい。5期生の入学式の時に校長が其の経緯を説明されました。「其の男子中学生の中学校の成績は安古市高校の授業に付いてはいけないものでした。」此のエピソードは6期生と成る受験生を持つ保護者の方達や中学校の進路指導の先生方にも、当然伝わり。
それよりも今年の在籍者数を見て驚きましたわ。何と男子生徒の方が人数が多いではないですか。安古市高校は内申書重視で女子の合格者数が多い傾向が続いておりましたのに。合格基準を変えたのでしょうか?それとも偶々かしらね(笑)。
米村凛太郎 (月曜日, 29 1月 2024 13:22)
今年も定員割れ起こして下さい
在校生 (火曜日, 30 1月 2024 07:47)
今年はどうなるかな〜((o(´∀`)o))ワクワク
正湊 (土曜日, 03 2月 2024 11:35)
我想知道今年会友生
在校生 (水曜日, 07 2月 2024 11:47)
がんばれ
蓝天 (木曜日, 08 2月 2024 19:47)
正湊、希望今年赤穗市立高中的比例能低一些。
正湊 (月曜日, 12 2月 2024 15:35)
你在說什麼呢?
まだ中学生 (火曜日, 13 2月 2024 09:45)
定員が割れなかったけれど合格できるようにラストスパート頑張ります!
坂上田村麻呂 (火曜日, 13 2月 2024 09:46)
倍率1.20ってマジっすか?
徳川家康 (火曜日, 13 2月 2024 09:47)
征夷大将軍は俺だ!
菅原道真 (土曜日, 24 2月 2024 00:32)
私はあなたの合格を祈っています
新・在校生 (月曜日, 01 4月 2024 20:56)
宿題が終わりません。英語と国語が全然わかりません、あと安古市高校に受かった理由も。
宮脇 (火曜日, 02 4月 2024 09:23)
新・在校生さん
合格おめでとうございます。
宿題というのは、入学前の課題ですね。
集中して勉強できる場所を確保することが大事ですよ。
例えば、Moveみたいな場所です。
いや、本気でおすすめです。